【完】あたしのとなりの不良くん



* * * * *



なんだか海里のせいで、一日が長かった…。



「…はぁ……」



…帰ろ。



あたしは机の横から鞄を取り、肩にかけた。



「千尋~」



それと同時に聞こえた声。



…うん。


あれは、幻聴だ。


よし、帰ろう。



あたしは声の主のほうを絶対見ず、そのまま前を向いて歩く。



あんなの知らない。

あんなの知らない。

あんな……



グイ



「千尋!」



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