【完】あたしのとなりの不良くん



「え、…ちょ、」



団扇はブンブンと音を鳴らしてる。

そのせいであたしの声は届かない。



「ふんふふん♪」


目の前の海里は上機嫌で鼻歌を歌ってて。


「千尋涼しいか~?」


「あっ…、う、ん」


こういう調子のいい海里のときには、あたしは何もいえない。

何故かあたしは…海里のペースに呑み込まれるのだ。


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