僕らは妖怪 ~妖怪編~
○気づく
◇真希Side◇
「真希ー、進真にお粥持って行ってあげてー」
「あいよー」
お粥…お粥…
うわぁ…卵のお粥に梅干しが入ったお粥だ…あたし、大好きなんだよねぇ…。
「真羽~あたしの分は~?」
「あるわけないじゃん(笑)」
ですよね~。
お粥を持って階段を上がり進真の部屋に持っていく。
「おぉ真希、進真に持ってってやるのか?」
「うん」
途中で蓮にあい、目を離すとこぼしそうで怖いからずっとお粥に目をやるけど。
「俺が持ってってやろうか?」
「あ…でもいいよ」
蓮はいつも親切にしてくれるから嬉しいけど、いつまでも甘えちゃいけないよね。
「そうか?でも、あいつも熱とか馬鹿だよな~ただ単に怪我をして、39度も出すとか(笑)」
「う…うん、そうだね」
怪我だけじゃないんだけどね。本当は力の使いすぎってところもあると思うんだけど、あえて言わないことにしている。
目をあげると、そこには黄色い目で光っている進真様がいた…。
「れ…蓮…後ろ……」
「は?……ぃてっ!!」
うぉ!!とっさに前から倒れこんだからサッとよけたけど、病人が足蹴りとか…。
「遅いと思ったら、てめぇが足止めしてたのかよ!!どっかいってろ、ハゲ!!」
「ハゲじゃねーし!この、雑魚鳥が!!」
「んだと?てめぇ…?」
「はぁ?やんのか…あ゛ぁ?」
ちょ…っ!!ここで喧嘩はやめてください!!
あと進真、熱だしてんだから安静にしないと!!
「や…やめんかーー!!」
つい、ビュゥゥゥと風をふかせてしまった。
「…っち、あとで覚えてろよ進真…」
「てめぇこそ、尻尾振って待っとけハゲ」
「あ゛ぁ?」
「あ゛ん?」
「こぉぉーらぁあ!!!」
全く…この二人はいつになったらまともに仲良くなるんだろうなぁ…