僕らは妖怪 ~妖怪編~
「なら、俺がその人になってやろうか?」
「え……?」
ボソッと言った進真は「何もない」と言ってごまかした。
でもあたしを大切にしてくれる人欲しいなぁ…
一人でいいの。たった一人でいいの。
「進真は信頼できる人いる?」
「そうだな……俺は真羽しかいないな」
「そっか…」
そりゃ兄妹だもんね。信頼できるもありえる。うちだって真羽のこと信頼できる。でもあたしがききたいのはこういうことじゃなくて…
「兄妹じゃなくて友達とか…」
「………いるよ」
「え?」
いるんだ……やっぱそうだよね。はぁ…いいなー…あたしも欲しいなぁ。