僕らは妖怪 ~妖怪編~
「なぁんだ!!またとられるかと…」
「え?え?」
何のこと?
「んじゃ、さよならー」
早紀は走って…いや、スキップで神社を出て行った。
「……行ったな」
「うん……」
「んじゃあ、お前も帰れ」
「うん…ん?ん?あっ!潤待て!!」
とっさに尻尾を出し、潤を掴んだ。ちょっとやり過ぎたかな…?いや、今はそれどころじゃないでしょ!!
「なんだよ、しまえ」
「しまえ。じゃない!なんで早紀に妹なんて言ったの?!」
そう、奴はあたしのことを妹といいやがった。誰がこんなやつの妹になるもんか!!
死んでもごめんだ!!
「なんだ、空気を読んだまでだが?迷惑だったか?」
「迷惑……じゃなかったけど」
むしろ助かったし……でも
「これから早紀来る…かな?」
「そりゃ週に1回は来てるからな」
ちょっと!!あたし結構来てるけど全く知らなかったんですけど!!
え、まず、ここに人がくることさえ知らなかったのに!!
「え…んじゃぁ、これからどうすんのよ…」
「てめぇ…もうそんな年なんだから自分で考えることくらいしろよ…」
ム……ッまぁ子供扱いされるよりはマシだけど、そういう言い方もムカつく…!!
「とにかく、あいつの前だけ妹扱いしてやっからよ」
「…わかった」
本当は締め上げたいところだけど、こいつがいなくなったらあたしの居場所がなくなるからしぶしぶ尻尾を引っ込めた。