威鶴のmemory
トーマの女子力はやはり侮れない。
フォンダンショコラなんて作ってきたなんて。
その味は少し苦味もあるけど、とても美味しかった。
やっぱりトーマには勝てない。
「依鶴」
「……なに?」
チュッ
いきなり口付けしてきたトーマに、なんとも言えない恥ずかしさがこみあげてくる。
「い、いきなり、」
「俺今最高に気分いいんだ」
「だ、だからって外で……」
「今日、俺ん家来いよ」
にやり、その笑みは今も昔も変わらない。
私はやっぱり、トーマが一番好きだ。
ハッピーバレンタイン