威鶴のmemory

お母さんへの、今までのトーマの本当の気持ち。

それを聞いて、お母さんはどう思っているだろう?



ただ今は、じっと話を聴いている。



「親父は……正直嫌いだ。俺が何したって黙って見て見ぬ振り。それどころか目障りとまで言われただろ?俺以上に、親父のが俺の事嫌ってんじゃねーの?」



そう言ってトーマは嘲笑を見せた。

お母さんは……困ったような顔をしてから、ふっと笑った。



「親子そっくり」

「あ?」

「度が過ぎる事をして、本心はなかなか話せなくて、そして後で後悔する」

「……」

「同じ。出て行けなんて、目障りなんて言っておきながら、ずーっと後悔してた。関心がないわけじゃなくて、ただ、どう接すればいいのかわからなかっただけ」



それを聞いたトーマ、さらに遥香さんまで、目を見開いて驚いていた。

なにやらまたもや新事実だったらしい。

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