威鶴のmemory
トーマと二人、並んでその家の中を見つめる。
顔の熱は、まだ冷めない。
肩に置かれたトーマの手も、アツい気がするのは、気のせいだろうか?
……緊張、しているのだろうか……?
一呼吸置いてから、奥から走ってくる足音が聞こえてきた。
もしかして……もしかしなくても。
私には、誰が来るのかわかっていた。
たぶんトーマも気付いてると思う。
以前私が、占いではない占いをしたその相手の未来の事を、話したことがあるから。
「透眞!!」
予想通り。
奥から出て来たのは、竹原遥香さん、トーマのお姉さんだ。