威鶴のmemory
変化した未来、私は……何かを変えることが出来るだろうか?
部外者だけれど……部外者だからこそ、出来ることはないだろうか?
未来を変えてしまう事は、怖い。
どう変わってしまうのか、先がわからない。
それが1秒先でも、何が起きるかわからない。
怖い──けれど、きっとこの家族なら大丈夫だと、なぜか信じられる。
確信に近い気持ち、元通りにさせてあげたい思い。
拳に力を込める。
考えるんだ、良い方向に転がるための未来を。
お父さんを説得するには、私はまだ信頼を得ていない。
頑固と聞くから、私がどう言ったとしても無駄だろう。
それなら説得する相手を変えればいい。
「トーマ」
「……あ、え?」
「今日何しに来たのか、忘れてないよね?」