威鶴のmemory


戸惑いながらも、トーマは首を縦に振った。



「間違いだと思った時は、止めてあげる。正してあげる。だから……先に言いたかった事、言おう」



安心して。

トーマが本心と違う事を口に出してしまった時は、止めるから。

冷静にして、何度でも、どれだけ時間をかけても、言いたい事を全部言える状況に戻してあげるから。



「後悔しないように、全部言ってから帰ろう、トーマ」



トーマの決意、私は知ってるから。

あとで後悔しないように、今、全力でぶつかれ。



「……そうだな。サンキュ、依鶴」



そして、トーマは立ち上がった。



「土下座だったか?してやるよ」

「トーマ!」



なぜそう挑発的な事を言うの!

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