威鶴のmemory
依鶴の最後、俺たちは初めてキスをした。
告白をされ、俺からも告白をした。
愛してると言われ、愛してると言った。
依鶴は眠りにつき、威鶴が目覚め、その威鶴とも別れを言い合い……。
そして『依鶴』の記憶として残った出来事は、つい数時間前だ。
依鶴の記憶を持つ『依鶴』は、完全に俺の好きな依鶴だろう。
依鶴だってそうに違いない。
違ってたら嫌だ。
ということは依鶴は俺のもんだ。
でもしまった、付き合う付き合わねーの話はしていない。
でもまたあの雰囲気になんのはこっぱずかしい。
なんであん時『付き合え』っつわなかったんだよ俺!!
いっぱいいっぱいだったとかどうでもいいから一言言っちまえばよかっただろ。
……これからどうするか、ソファーで薄ピンク色のチェリージュースを飲みながら考える。
あ、コレうめぇな。
後で依鶴にもやろう。