威鶴のmemory
「レイン」
『何?』
「本題は何だ?」
聞いている限り、急用じゃない。
だからと言って声が聞きたいだけ、とかそんな事はないだろう。
絶対にな。
となると、特に意味はないのか?
『本題?あー、本題、ねぇ……』
なんだ、その含みを持った言い方は……。
『さて、私は今、どこに居るでしょう?』
「は……?」
いきなり訳の分からない質問をされ、眉をひそめる。
どこ……って、この時間なら。
「BOMBじゃねーのか?」
『ふふっハズレよ』
その直後、カタッという小さな音が遠くから聞こえた。
……電話越しに、遠く?
「誰かと居るのか」
『あら聞こえたの?』
クスクス笑うレインに、いい加減面倒になってきた。
「切っていいか?」
『あら、もう切っちゃうの?残念ねぇ』
電源ボタンに手をかけた時だった。