威鶴のmemory
「お母さん、朝から引きこもってるの。透眞が来る事、知らせなければよかったかな?」
「知らなくてもどうせ逃げんだろ」
「……トーマはキツく当たりすぎ。もっとソフトにしなきゃ、いつまでも寄ってこないよ?」
……お母さん、まるでか弱い小動物のような扱いなんですね……。
「依鶴さんが来る事も話せば、来てくれるかなぁ?」
「え、私のこと話していないんですか……!?」
トーマが家に来る日は、遥香さんと決めた。
全員が帰ってくる今日この日……。
お父さんはお仕事で、竹原叶香は学校。
遥香さんは仕事がお休みで、お母さんは主婦。
私たちは、二人ともお休み。
「依鶴さんは、今日はサプライズ」
「へ?」
なぜか私はサプライズになっていた。
──そして。