威鶴のmemory
その名前に超高速で反応した俺。
「依鶴だと!?」
『あら、切るんじゃなかったの?』
「依鶴を出せよ!」
『私が電話するって言ったらお皿洗いに逃げちゃったのよ。ふふっ可愛いわ、私の妹』
怖ぇ。
なんか依鶴にしでかしそうなレインの姉妹愛が怖ぇ!!
つーか皿洗い?
そんなのどうでもいいから代われよ!
「なんで逃げんだよ?」
『恥ずかしいんじゃないの?色んな意味で。別れを告げたのに記憶はあるし、相思相愛なのに関係は曖昧だし』
『やめっ……!!』
また電話越しに遠くから声が聞こえてきた。
今のは……依鶴の声だ。
「依鶴……」
『はやく言うこと言わないと、依鶴はいつまでも逃げたままかもしれないわよー。じゃ、またBOMBで』
ツー、ツー、ツー。
──言うだけ言って切りやがった。