威鶴のmemory


小供の頃から、俺はこの目付きのせいで色々と言われて来た。



『いじめっこ』

『鬼』

『いつも怒ってる』

『怖い』

『人一人殺した事あんじゃねーの?』



いい噂は、全くなかった。

実際それは相手が勝手に泣いたり、面倒で冷たく接したりした事に尾鰭胸鰭が付いて結果的に噂として広まったものだ。



次第に俺は荒れていった。



誰にもわかってもらえない。

噂がなんだってんだよ?

顔が怖ぇくらいで。



ついには上級生から生意気だと目を付けられ、俺は喧嘩を覚えた。

喧嘩に勝った時の、快感を……知ってしまった。



ひれ伏す6年を見下ろす小学4年。

涙を流す男の腕を軽く踏めば、その顔は許しを求める。



中学3年ですでに部下ができ、名もないチームとして成り立っていた。

だから俺は、高校に入った時に、このチームを名付けた。











『白蛇』と。




< 53 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop