威鶴のmemory
「なー、トモ」
「なんすか?トーマさん」
俺は、初期の頃から一緒にこのチームを作り上げてきたトモに、相談じゃねーけど、今の気持ちを話した。
「空っぽだ」
「腹っすか?肉食いにでも行きます?」
「ちげーよ」
求めても求めても、手に入らない何か。
「満たされねんだよ。喧嘩しても女食っても」
「……あぁ、心的なアレですか」
「女みてぇで嫌だ、その言い方」
「何言ってんすか、トーマさん。男にも心はあって、欲望があるんじゃないすか」
欲望……か。
「その欲望がなにか、わからねぇ」
トモは、紙パックのカフェオレをちゅーっと吸い込んだ。
リーダーが話してるっつーのに、なんだよそれ。