威鶴のmemory
「トーマさん、『リア充爆発しろ』って言葉知ってますか?」
「あ?りあ?銃?爆釣?地雷か?」
「いやいや、『リアル充実してる奴よ、滅びろ』という、嫉妬の表現す。トーマさん今まさにそれ」
リアルってなんだよ、リアルって。
嫉妬だぁ?
「トーマさん、今幸せって感じますか?」
「いや、別に」
「それが答えっす。トーマさんに足りないもの」
『幸せ』が、足りない?
幸せなんて、考えたこともなかった。
「幸せってなんだよ」
「え?あー、まぁ人にもよるっすけど、単純な人ならなんか食ってるだけで幸せっす」
「そりゃお前だろ」
「あ、バレました?」
ニヤニヤ笑みを崩さないトモ。
こいつはいつも幸せそうだ。
「トーマさんはきっとそんなんじゃ足りないんす。とするときっと……物じゃないものがほしいんすよ」
「なんだそりゃ?」