威鶴のmemory
「テメーが機嫌とってくれんのか?」
「へ!?」
「さっき少し暴れて来たんだけどよ、足りねぇんだよな」
そう言って俺は、ソイツの胸ぐらを掴む。
観戦していたメンバーがざわめき始める。
今の俺にとっては、そのどれも煩わしい。
「死にはしねぇと思うが、どうする?相手してくれんのか?」
怯え、震え、恐怖に歯をガチガチと噛み鳴らす男。
そりゃそうだ、ただでさえ強面の俺が、隠すことなく怒りを現してんだ。
震えもするだろうよ。
こういう奴は相手になんねぇな。
敵ならぶちのめしてる。
でも生憎味方を痛みつける趣味はない。
パッと手を離してやるとそいつは地面に崩れ落ちた。
「トーマ!」
俺を呼んだ奴に向くと、初期メンバーの年上の奴だった。
「喧嘩は外でやってくれ。仲間は傷付けんな」