威鶴のmemory
兄貴的な存在。
誰かが呼び出したのか、ちょうど来たのかはわからないが、今ここで俺を止められる唯一の奴だからか、全員が安堵している。
「心配しなくてもここじゃ暴れねぇよ。俺より強い奴もいねぇしな」
この場所自体、俺に負けた奴らが集まってんだ、俺より上はいない。
「……互角くらいならいんじゃねーの?」
「……あ?」
「俺だって他の奴だって、強くなってんだ。俺なんて初期だろ?もうずっとお前と戦ってねぇし、そりゃお前は本当に強いけど、今じゃどうなのか──」
「ヤるか?」
何もかもが、イラつく。
「……悪い、俺も言い過ぎたな。そういうことじゃなくて、とりあえず今は落ち着けよ」
「イラついてんだ。抑えられたら最初からこんなんなってねぇよ」
怒ってる時っつーのは、どうしてこんなにも自分が抑えられなくなるんだ?
沸々と暴れたい衝動が湧き上がってくる。