威鶴のmemory
BOMBに到着し、俺はその依頼人らしき女と目が合った。
奴は俺を見てニヤリと笑い、そして。
「トーマ……」
「おまっ……なんでここに」
「死にさらせ!!」
叫びながら俺に向かって走り出した。
──ヤバい、コレは!!
気付いた時にはもう遅く、ソイツの蹴りをかわすことに必死だった。
連続で俺の顔面目掛けた足技、少しでも状態が崩れそうになれば、その隙を見逃さず、軸足目掛けて回し蹴り。
さらにそれを跳びかわし、逃げる隙を探す。
俺が教えた足技は健在らしい。
とすると、あの必殺攻撃を出すのも時間の問題だ。
早いとこ逃げるか止めるかしないと、本当に俺が死ぬ。
しかもこんな、仕事場の目立つ所でなんてゴメンだ!
「やめろバカ!」
「嫌だねっ」