威鶴のmemory
その時足の蹴りに集中していた俺は、いきなりパンチが飛んできたことに驚き、頭をよけ、バランスをとるために数歩下がり足を開いた。
それを待っていた奴は、俺に渾身の一撃を打った。
「社会的に死にさらせバカ兄貴ー!!」
その蹴りは、痴漢対策に俺が教えた通り、股間にクリティカルヒットした。
あまりの衝撃に、バタン、崩れ落ちた体。
……痛すぎて、動けねぇ……。
「……テメ、かな、か……」
「フン、バカにはお似合いだ、その姿」
BOMBに凄まじい印象を植え付けた、竹原叶香という女……我が妹である。
中学のセーラ一服に身を包んでいるその姿からは想像出来ないほど強く、一見普通の女だ。
そして母親に似て顔の造りは可愛い系。
性格は、ほぼ俺だ。