威鶴のmemory
で、俺たちはようやく個室に通され、依頼内容とやらを聞いた。
「ボディーガード、お願いしたいんだけど」
「は?」
叶香の言葉に、正直『お前ヘタしたら俺より強ぇだろ』と思った。
つーか、実際ついさっき俺を倒しただろ。
「お前はもう、一人でヤれる。俺が保証する」
「違う、遥香に。お姉ちゃんにボディーガード付けてほしいの」
「は?遥香?」
ならなぜお前がここに来た?
でも、それより。
「遥香がどうかしたのか?」
遥香は母親に似て、俺たちみたいに喧嘩や危ないことはしない。
だから叶香のように痴漢対策は伝授していない。
普通の姉貴だ。
だから母親の次に危ない。
ちなみに母親はは論外。
アレは何かあっても怖くて動けなくなるタイプだ。
遥香は、反抗くらいするだろう。
しっかり者だ。
で、その遥香に何があったのか。
「遥香、気付いてないのか無視してるのか……いや、あれ多分気付いてない。ここ二週間くらいストーカーされてる」