威鶴のmemory


「ストーカー?」



……って、なんで遥香は気付いてなくて叶香が気付いてんだ?



「詳しくお願いします」



レインがそう聞いた。



「危険性は?」

「今のところはないけど……接触して来たりしたらどうなるかわからないし、でも何もしてきてないからあたしが殴りに行くわけにもいかなくて」

「そういうことか」



遥香が知ったら動揺するだろう。

なにもしてこないから誤解があるかもしれないし、変に心配させたくない。

それでも叶香は心配なんだろう。



「なにしたらいいかわからないし、だったらトーマに押し付けようと思って」

「オイ」



これは押し付けられてるのか。



「とにかくこの状況をどうにかしてほしいの。遥香に何か起こる前に」

「わかりました」



答えたのは、威鶴だった。



「まずその男の情報を集めて、その後接触。何かありそうならこちらで対処します」

「……は、はい」



さすが威鶴、慣れてる。

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