マンゴーにはなれそうもない
「_________ !?」
ダッダッダッと、力の入った足取りの
スニーカーの靴音に振り向く。
息を乱した優弥と
立ち止まり見つめあった瞬間
彼があたしの手を引いて走り出したのだ。
「優弥っ・・!?」
「いいから・・!」
転げそうになりながらも
麓に近い方の駐車場まで辿りつくと
彼は自分の車の鍵を開け、
助手席へとあたしの背中を押した。
「・・待って、何処へ行く気よ!」
「決めてない」
「優弥までいなくなったら・・!」
「先輩と一緒にホテルに帰って行く
貴方を見るのは絶対、イヤなんだ!」
「・・・え!?」
文句が言えなくなってしまった・・。
あたしは直感する。
甲斐がバラして
彼を焚き付けたのではないかと。
全く・・あの男が解らない。
甲斐本人が言う通り、
あたしが本当に好きなら
前カレの存在は排除したい筈である。
余程、自分に自信があるのか?
「ねえ、甲斐さんに何云われたの?」
車はもう直ぐ
インターチェンジ近くに差し掛かる。
真剣に運転してる優弥の横顔に
訊ねてみる。だが顔色は変わらない。
ただ、必死・・な、感じ?
「よし、此処だ・・!」
「え? 」
彼の勢いにあたしはクルリ前を向く。
その瞬間。
ビニール製の大きな暖簾がバサーッ!
と、車のフロントガラスに。
「って!! オイ!
なんでラブホテルよっ!?」
「・・俺、瑠璃とやり直すから・・!」
「・・・・!」
・・・何の言葉も出ず、
あたしはたぶん、顔の色さえ失ってた。
優弥が乱暴に車を停めると、
降りて回り助手席のドアを開けた。
そして、あたしの手を・・乞うのである。
「俺を許して・・!!」
「・・・。」
あまりに唐突だったが
優弥の不安に揺れる瞳を見てしまった。
甲斐が云った事をまだ予想してる。
彼が知る事は前カノ翔子が
あたしの髪を切ったこと、
そしてあたしが今、得体の知れない事に
巻き込まれようとしてること、
なんであたし、
優弥に謝られてるんだろう?
差し伸べられた手、それを・・?
ダッダッダッと、力の入った足取りの
スニーカーの靴音に振り向く。
息を乱した優弥と
立ち止まり見つめあった瞬間
彼があたしの手を引いて走り出したのだ。
「優弥っ・・!?」
「いいから・・!」
転げそうになりながらも
麓に近い方の駐車場まで辿りつくと
彼は自分の車の鍵を開け、
助手席へとあたしの背中を押した。
「・・待って、何処へ行く気よ!」
「決めてない」
「優弥までいなくなったら・・!」
「先輩と一緒にホテルに帰って行く
貴方を見るのは絶対、イヤなんだ!」
「・・・え!?」
文句が言えなくなってしまった・・。
あたしは直感する。
甲斐がバラして
彼を焚き付けたのではないかと。
全く・・あの男が解らない。
甲斐本人が言う通り、
あたしが本当に好きなら
前カレの存在は排除したい筈である。
余程、自分に自信があるのか?
「ねえ、甲斐さんに何云われたの?」
車はもう直ぐ
インターチェンジ近くに差し掛かる。
真剣に運転してる優弥の横顔に
訊ねてみる。だが顔色は変わらない。
ただ、必死・・な、感じ?
「よし、此処だ・・!」
「え? 」
彼の勢いにあたしはクルリ前を向く。
その瞬間。
ビニール製の大きな暖簾がバサーッ!
と、車のフロントガラスに。
「って!! オイ!
なんでラブホテルよっ!?」
「・・俺、瑠璃とやり直すから・・!」
「・・・・!」
・・・何の言葉も出ず、
あたしはたぶん、顔の色さえ失ってた。
優弥が乱暴に車を停めると、
降りて回り助手席のドアを開けた。
そして、あたしの手を・・乞うのである。
「俺を許して・・!!」
「・・・。」
あまりに唐突だったが
優弥の不安に揺れる瞳を見てしまった。
甲斐が云った事をまだ予想してる。
彼が知る事は前カノ翔子が
あたしの髪を切ったこと、
そしてあたしが今、得体の知れない事に
巻き込まれようとしてること、
なんであたし、
優弥に謝られてるんだろう?
差し伸べられた手、それを・・?