マンゴーにはなれそうもない
まだ昼間なのに・・
あたし達は部屋に入るなりバスルームへ

互いの服を脱がし合うとシャワーを捻る。

湯気の中、大きな壁の鏡に映り込む
艶かしく動く獣に
立ったまま貪り喰われているかの後姿。

細くしなやかな線の美しい背中、
抱き寄せて
愛撫を浴びせる度に隆起する筋肉を
あたしは手探りで感じるまま撫で摩ってた。

ルールはない。

彼の舌と指はあたしを崩し落とし
あたしは手と唇で彼を震えさせてる。

蠢き続ける指に堪らずかぶりを振れば
意地悪く火照る顔をずっと眺めて・・


「ソソる」


瞳を見つめた
熱の篭る吐息で囁いたかと思うと
食べそうな勢いの激しい口付けで
胸を弾ませた。


「ア・・・!」


ズルリと下へずれた彼の舌と指の仕業に
濡れた柔らかな髪を掻き乱してしまう。


「んっ・・」


壁を背に優弥の硬い塊が
ゆっくり入ってくると

何度も奥の奥まで貫かれ
震えた短い声を上げ続けてるあたしを
時々、掌で頬を撫で付けながら
うっとりと見つめて云った。


「瑠、璃・・スゴ・・イ、
俺を・・キュウって・・吸い込んでく・・。」

「ア、 待って・・!」

「イヤだ」


あたしの鳴き所を感じ取った時の優弥は
本当にセクシーな薄い微笑みを見せる。

責められ過ぎて
どうにかなるのではないかと云う不安と
期待にあたしがゾクリとする瞬間。


「だめっ・・、ゆう・・っ・・!」

「フフ ・・何がダメだよ・・? 」


ズル・・と
腕から滑り落ちそうなあたしを抱き掬い
横抱きに部屋に戻ると濡れたままベッドに
落としてまた覆い被さってくる。


「・・休ませて・・ア・・!」


汗で湿る胸板を力なくぺたぺたと
手で張ったりもしたが・・
あえなくそれも
ベッドに張り付けられてしまった。


「まだだ・・俺がどんだけ貴方を
愛してるかって・・思い知って貰う・・!」

「・・・・。」


思いがけぬ、優弥からのその言葉に
あたしは戸惑った顔を
あからさまに見せてしまったのだろう。


「もう逃がさないから」

「・・・!」


彼の髪の雫がひとつ、あたしの頬に落ちた。

< 105 / 129 >

この作品をシェア

pagetop