マンゴーにはなれそうもない
その帰り、車で近所の
ショッピング・センターに寄った。

キャンプに持っていくレトルトや
冷食を補充する為に。

1人だと面倒な食事も
手抜きできるから楽である。

たまの事だからカレーのレトルトでも
特別にいいのを買ったりする。


「・・・・・・。」


ここの店は外資系で、
棚が見上げるほど異常に高い。

お目当てのレトルトカレーが
あーんな、高い所に置いてある。

そんな背が届かない人の為に
ちゃんと親切に
踏み台が用意してあった。

そろりと2つ手に取って降り、
踏み台をちゃんと直して置く。

よく見るとパッケージの模様が
少し変わったらしい。


ドシン・・!


「・・・・・!?」


棚の向こうから凄い音がした。

続いて
子供の火の着いたかの泣き声。
ガナリ散らす、母親らしき人の声も。


「あっ・・・・・」


向こう側の様子がつい気になり
何気に見上げた棚のテッペンが
揺れて崩れる瞬間を見た。


「わ・・・!」


落ちてくるであろうレトルトの箱、
頭に当たるのを恐れて咄嗟に
腕で庇い、目を瞑ってしまってた。


「!」



バラバラバラッ・・・!


「・・・!?」


足元に落ちてきたカレーは・・
ひとつも頭には当たっていない。

影があたしを覆う。
鎖骨に回る腕と背中の温もり。

まさか・・・その通りだった。



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