マンゴーにはなれそうもない
♪~

信号待ちの間、携帯がなる。
父上からである。

あたしは周りを見ながら
携帯を耳にあてた。


『今からマミコちゃん(彼女)と
温泉旅行に行ってくるから。
あ、オマケもちゃんと連れてくよ♪』

「なによそれ・・。何泊?」

『二泊三日。商店街のくじ引きで
彼女が当てたんだ。お前は彼氏の
トコロにでも泊めて貰ったら??』

「アレは違うってば・・!」

『携帯電話買って貰っといてか?
ま、"タダ”でヤラせてやってんだ、
何でも買って貰いなさいよ、じゃーね♪』

「・・・・はいはい。」


ぴっ・・・。


安いエッチね、
一回がワンセグ携帯の値段?
せめてタクシー代でも付けてよ。

あの機種、もう直ぐ
新規1円になるって噂なのに。

ったく・・失礼な。
まるであたしがおサセみたいじゃん。

溜息も出るわ・・呑気なクソオヤジ。

男は皆同じ、実父でも年下男でも。
どいつもこいつも無神経。

信号が変わり、
犬だけが待つ自宅へと向かった。

お風呂に入ってから軽い夕食・・
と云うよりはおつまみ。

チューハイ片手に
テーブルの携帯を開く。

知らない間に年下男から
電話があったようだ。

ズラリと縦に並ぶ、奴の名前。
拒否られてると思って、
何度もコールしたらしい。

かといって
掛け直す気にもならない。

( 一瞬のトキメキって幻だよね・・。)

恋なんかしたくない
面倒臭い・・と思ってても
魔は差すもの。

ドキドキしたとか
アンアン云わされたとか

思い出して
後悔して凹んでたって

"女”って生き物なんだもの、
しょうがないじゃない・・?


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