マンゴーにはなれそうもない
「ウソツキ」
「何だ、ウソツキって。」
「フフ」
やっと手が解けて、
むくりと彼が身を起こした。
それでこそ、あたしの男友達である。
あたしは彼の頬をペチペチ叩いてから
冷蔵庫のミネラルウォーターを
取りに行って戻った。
「どうぞ?」
「おう、あんがと。・・なぁ?」
「なに・・?」
ちょっと警戒して少し離れて座る。
彼も自分がそうさせたのが解って
苦笑いを見せていた。
「あの年下の男とどうなったんだ?」
「・・・・どうって別に。」
「ヤツはどうなの?」
「え?」
「好きか嫌いかと云ったら、だ。」
あっと云う間に500mlの水を飲み干すと
口元を自分の袖で拭ってる。
あたしは一旦、チラリと視線を横へ逃し
またその目を合わすハメになってた。
仕方なく、
諦めの溜息と一緒に答えを吐き出す。
「どっちでもないかな・・。
性格の悪い子じゃないしね。」
「・・・友達ならってか?」
「それも無理かな。」
彼はあたしと年下男が寝たのを知ってる。
だから頷いていた。
そして、唐突に・・。
「アイツと別れようと思う。」
「・・・。」
「そしたら、俺と付き合わないか?」
「・・無理よ、知ってるじゃない。」
すっかり酔いは醒めている様だった。
あたしの話にもいつも通りの反応を見せる。
彼はおもむろに立ち上がり、
机の引き出しから何か出してきた。
「これ、覚えてる?」
「あ・・。」
昔、グループ内の皆が彼に
誕生日プレゼントをあげた事があり、
それはあたしがあげた、
ヒーリング特集のCDだった。
悩みに悩んで買ったものだから
良く覚えている。
「俺、あの時さ。
お前の事好きだったんだ。」
「・・・・うそ。」
両想いだった・・の?
ポカンと
している間の一瞬の隙をつかれた。
彼が目の前に中腰でしゃがみ込んだ。
髪に手が差し込まれ
唇が深く食い込んできた・・。
あたしは酒に酔ってはいないが
彼の聞いた事のない甘い声にフラつく。
「"瑠璃"って・・呼んでいいか・・?」
「何だ、ウソツキって。」
「フフ」
やっと手が解けて、
むくりと彼が身を起こした。
それでこそ、あたしの男友達である。
あたしは彼の頬をペチペチ叩いてから
冷蔵庫のミネラルウォーターを
取りに行って戻った。
「どうぞ?」
「おう、あんがと。・・なぁ?」
「なに・・?」
ちょっと警戒して少し離れて座る。
彼も自分がそうさせたのが解って
苦笑いを見せていた。
「あの年下の男とどうなったんだ?」
「・・・・どうって別に。」
「ヤツはどうなの?」
「え?」
「好きか嫌いかと云ったら、だ。」
あっと云う間に500mlの水を飲み干すと
口元を自分の袖で拭ってる。
あたしは一旦、チラリと視線を横へ逃し
またその目を合わすハメになってた。
仕方なく、
諦めの溜息と一緒に答えを吐き出す。
「どっちでもないかな・・。
性格の悪い子じゃないしね。」
「・・・友達ならってか?」
「それも無理かな。」
彼はあたしと年下男が寝たのを知ってる。
だから頷いていた。
そして、唐突に・・。
「アイツと別れようと思う。」
「・・・。」
「そしたら、俺と付き合わないか?」
「・・無理よ、知ってるじゃない。」
すっかり酔いは醒めている様だった。
あたしの話にもいつも通りの反応を見せる。
彼はおもむろに立ち上がり、
机の引き出しから何か出してきた。
「これ、覚えてる?」
「あ・・。」
昔、グループ内の皆が彼に
誕生日プレゼントをあげた事があり、
それはあたしがあげた、
ヒーリング特集のCDだった。
悩みに悩んで買ったものだから
良く覚えている。
「俺、あの時さ。
お前の事好きだったんだ。」
「・・・・うそ。」
両想いだった・・の?
ポカンと
している間の一瞬の隙をつかれた。
彼が目の前に中腰でしゃがみ込んだ。
髪に手が差し込まれ
唇が深く食い込んできた・・。
あたしは酒に酔ってはいないが
彼の聞いた事のない甘い声にフラつく。
「"瑠璃"って・・呼んでいいか・・?」