マンゴーにはなれそうもない
「卑怯よ・・ズル・・い・・ア!」


お互い、長すぎるキスに
息が切れてしまってる。

耳元で瑠璃、瑠璃・・と、
カーペットに押し倒して
熱い息と唇が、あたしの首筋を這う。


「ねぇ・・、止めてよ・・。」


抵抗しようとする手を軽くあしらい
彼はまるで壊れ物でも扱うかに
あたしの体に触れていく・・。

酔いが急激に回りそうになった。

ふっと過ぎる、年下男の切ない顔。
何故・・こんな時に?

正気を取り戻したかに
膝を割り入れて
体を弄ってる彼の肩を押し返した。


「足立くん・・ダメ、出来ない・・!」

「バカ・・俺が大事にしてやる・・。」

「やっ・・・、ア・・!」


じたばたとカーペットを蹴って
跳ね除け様とする脚をものともせず

滑り込んではイビツに蠢く手を掴み
引き除けようとするが・・

彼は良くも悪くも大人で
抵抗する女の、どこを押えるかで
大人しくさせる術を知っていた・・。

この強引さが本当にあの足立くん?
信じたくない・・。


「瑠璃・・・・!」

「嫌・・・ッ・・、止め・・て・・!」


捩って逃れようとする肩を取って引き、
簡単に体を表に返すと脚を脇に抱える。


「・・いやっ・・ァッ・・!」


気持ちを裏切るかに潤っている場所へ、
とうとう彼が押入ってきた。

抗い疲れて半裸状態にされたまま
いとおしげに印を付けて行く唇、
焦らす様な動き・・。

ずっとイヤと云われ続けながらも
あたしを責め続けて、

貴方はそれで満足できたの・・?


「感度抜群だな・・。」

「・・・・。」


あられもない姿のあたしを抱き上げ、
ベッドに埋めた。

クラクラし過ぎて酷い頭痛がしてる。


「・・・煙草頂戴・・。」

「ああ、・・ほら。」

「・・・。」


悪びれた様子も見せずに
サイドテーブルを引き寄せる。

あたしは
カラカラになった気がしてならない。

彼から身を離れ、
灰皿の置いてあるサイドテーブルに寄る。

ただ、黙って煙草を吸い続けていた。



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