マンゴーにはなれそうもない
確かにオアイコだし、あたしは
もうそれについて怒ってなどいない。

そんな次元で・・
考えている彼に幻滅しただけだ。

これで・・良かったのだと思う。


ふと想像したのだ_________

年上のあたしより・・
彼の隣で真昼の陽の下で笑う彼女を。

その方が・・自然。


優弥は意識して
そうしていたのだろうか。

デートはいつも夜、
昼間、人前で
一緒に出歩く事がなかった事。

明らかに年上に見えるあたしを
恥ずかしいと思っていたのでは?

云って図星なら、
お互い嫌な気持ちになるだろうし。

いつか、休みが重なった日には
誤解を解いてくれたかもしれない。

けれど、そんな日も来ないまま
アっという間に終ってしまった。


( やっぱ年下は無理だったのよ )


偶然なのか・・それから、
悪戯電話がピタリと止んだ。

まだいろいろと疑問は残るが
もう考えない様に過ごしていた。

あれから10日経ったが、
さすがに優弥も姿を見せない。

その代わり、
足立がまた店に顔を出すようになった。


「ようやく終ったよ。」


(わざわざご報告に現れたの?)


また何か言い出しそうな気がして
先制・・ジャブ? を繰り出す。

「そう・・
当分は独りを満喫したらどう?」

「冷たい女だ( -ェ-)」

「良く言われるわ、じゃ
シングルに乾杯ってことで。ハイ」


カウンターの内側から
彼のコーヒーカップと自分のマグを
適当に軽くカチンと合わせた。

面倒クサイのが丸出しの宥め方。
優しくするとツケ上がるから。

彼もそう云われて諦めたか
吹っ切れた様な顔をしていた。

あたしは用事のあるフリで
マグを持って厨房に引っ込みかけた。

が。やっぱり気が変わった。
この際だからハッキリさせよう。


「ねえ?・・聞いてもいい?」


・・・あの事だ。

< 67 / 129 >

この作品をシェア

pagetop