マンゴーにはなれそうもない
・・・甘かった。


「この前の事、俺だって腹たってんだから。
なんで黙って帰っちゃったんだよ・・。」


恐らく・・彼はあの後、
告ったあたしが消えたので
周りに何か冷やかされたのだろう。

・・確かに格好つかない。

けど、あたしの知ったこっちゃない。


「・・勝手でしょ。」


彼はそう云うと、
"強情だなあ"みたいな呆れた笑みと溜息で
隣に座り、偉そうに両腕を広げて足を組んだ。

その手足の長さを
まるで見せびらかす様に。


「・・じゃ、ちょっと纏めてみよう。」

「は?」

「俺を嫌うワケは何?」

「男だか・・」


そう云いかけて、
頬をぐにゃと摘ままれた。

もうバレてるから
それはナシ・・と云う目つき。



「・・・タイプじゃないから。」

「それで?」

「年下だから。」

「他には?」

「綺麗な男が嫌いだから。」

「もうない?」


諦めてハッキリ
云ってやったつもりだったのに
体を畳む様に前かがみで
あたしを見ているチャレンジャー。

ニヤリと、そんな不敵な笑みも大嫌い。


「自惚れ屋、辞められる?
ってか、もうムダでしょ・・。」




・・でなければ、この時点で
もう"フラれた"と自覚する筈だし。

肩に触れようとしてた彼の手が
寸でで止まる気配。

ちょっとは自覚があるんじゃない。


< 7 / 129 >

この作品をシェア

pagetop