マンゴーにはなれそうもない
何にしがみ付くのよ?

「食べて」??? アァ?

それに、
誘惑なんてしない・・!

ジョーク以外は。

・・・・別にムキになるコトでもないが。


皿の上の一番小さな肉の塊を
フォークで口へ運び入れてモゴモゴ。

やっと飲み込み終えてから
紙ナプキンで唇を少し押えてる。

そんなあたしを姉は
子供に笑い掛けるかの優しい眼で見てた。


「・・茉莉ちゃんはイツ頃あった?」

「んー・・、そうね。15歳・・あと、
18、23歳ぐらいの時かな。男と煙草は
切らした事がなかったんじゃない?」

なのに28にして未だに独身?
謎に触れたら殴られるから云わない。


「じゃ、次は30だ。」

「・・・喧嘩売りにキタ?」

「ま・さ・か・・・フウ」


見つめたフォークをブラブラ、頬杖で溜息。

姉は昔から良くモテていたから、
あたしの戸惑いなんて解らないのかも。

相談したの、間違ってたかなぁ・・。


「でも? 今回はまだマトモそうな
男達みたいだし、聞いて安心したわ。」

「独身とか、職種って事だけじゃん・・。」


姉は目を細めて笑うと首を傾げた。

"触れられたくないでしょ?"

と・・でも云う様に。

そう、愛人のことや不倫、
弟のリュウだけが知らないのだ。


「あるイミ、アンタは潔癖なんだわ。
あのね、
感情ってものを持って生きてる限り、
完璧な人間は絶対いやしないンだって。」

「送られ狼にもなる、浮気もする、
・・軽率なプロポーズもする?」

「・・まあね!
どうせ二種類しかいないンじゃん。
その男と女がスケベであってこそ、
この世の中は丸ぁるく収まってんのよ。フフ」


出た・・
姉のジャマイカ的ファンキー格言。

指で額を抱えるあたしを横目に
アーモンドをヒトツ摘んで
ニヤリと噛み砕いてるBetty girl

毒される前に帰ろうっと・・。




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