マンゴーにはなれそうもない
「タダは良くないよな、タダは。
おーい、ほとほどになー・・!」
親父はあたしにそう云ったんだとか。
ストレスの溜まってる所に
飛んで火にいる夏の虫とは思ったけど・・
あたしも昔ほどは若くない。
酒は入ってるわ、
ニコチン依存症だわ、走ると肩が痛むわ。
しかも相手はチャリンコだし。
見失って、
道の真ん中で体を折り息を整えてると
キキィっと自転車のブレーキ音が聞こえた。
疲れてるクセにむっ、と
エモノを両手に握る。
まだ影になってて見えないが、
コチラに近づく輩は間違いなく男。
「・・・・。」
「あ・・・。」
額の汗を袖で拭った男は、あたしの
手にあるホウキを呆然と指差してる。
「こんな時間に・・ボランティア?」
疲れて呆れたかに笑うのは優弥だった。
恥ずかしいと思う前に後へそれを隠してる。
・・・悪さした子供かっ。
「携帯に電話したら・・親父さんが、
"ホウキ持って痴漢追い掛けってった"
って聞いて俺、焦って出てきた・・。」
「なんで電話を・・。」
「もう一回・・ちゃんと話したくて。」
いつになく真面目な顔、シュンとした
様子もなく・・嫌に男らしく見える。
近づくとあたしの?ホウキに手を伸ばして
前籠に無理やり差し入れた。
浮気も認めたし、サヨナラも云った。
話すことなんてないのに・・。
「貴方の気が済むように?」
「・・おごる、何か飲もう。」
でも、話してこれで関わらないでくれる
のならそれでもいいかと思った。
片手でチャリをおし、表通りの
コンビニのフード・コーナーへ誘う。
アイスコーヒーを2つ買って来ると
灰皿までテーブルに用意してくれた。
「・・終った事よ?」
「・・本当に?」
「本当に。」
"別れた"って事を
もっと白黒ハッキリして置きたいの?
あたしへの確認・・?
それとも・・、逆?
「俺・・瑠璃が本気で好きだった。」
前者か。
クワンて音と軽い頭痛。
あたしはずっと視線を上げられずに
後悔の海に沈んでいく。
今更・・聞きたくなかった・・。
おーい、ほとほどになー・・!」
親父はあたしにそう云ったんだとか。
ストレスの溜まってる所に
飛んで火にいる夏の虫とは思ったけど・・
あたしも昔ほどは若くない。
酒は入ってるわ、
ニコチン依存症だわ、走ると肩が痛むわ。
しかも相手はチャリンコだし。
見失って、
道の真ん中で体を折り息を整えてると
キキィっと自転車のブレーキ音が聞こえた。
疲れてるクセにむっ、と
エモノを両手に握る。
まだ影になってて見えないが、
コチラに近づく輩は間違いなく男。
「・・・・。」
「あ・・・。」
額の汗を袖で拭った男は、あたしの
手にあるホウキを呆然と指差してる。
「こんな時間に・・ボランティア?」
疲れて呆れたかに笑うのは優弥だった。
恥ずかしいと思う前に後へそれを隠してる。
・・・悪さした子供かっ。
「携帯に電話したら・・親父さんが、
"ホウキ持って痴漢追い掛けってった"
って聞いて俺、焦って出てきた・・。」
「なんで電話を・・。」
「もう一回・・ちゃんと話したくて。」
いつになく真面目な顔、シュンとした
様子もなく・・嫌に男らしく見える。
近づくとあたしの?ホウキに手を伸ばして
前籠に無理やり差し入れた。
浮気も認めたし、サヨナラも云った。
話すことなんてないのに・・。
「貴方の気が済むように?」
「・・おごる、何か飲もう。」
でも、話してこれで関わらないでくれる
のならそれでもいいかと思った。
片手でチャリをおし、表通りの
コンビニのフード・コーナーへ誘う。
アイスコーヒーを2つ買って来ると
灰皿までテーブルに用意してくれた。
「・・終った事よ?」
「・・本当に?」
「本当に。」
"別れた"って事を
もっと白黒ハッキリして置きたいの?
あたしへの確認・・?
それとも・・、逆?
「俺・・瑠璃が本気で好きだった。」
前者か。
クワンて音と軽い頭痛。
あたしはずっと視線を上げられずに
後悔の海に沈んでいく。
今更・・聞きたくなかった・・。