恋愛記念日(恋愛短編集)





「最初はなんだって、かわいい、とかそういう感情から始まってくんだろ」



 玲ちゃんはそう言って、私を見た。



「なんなら、目が合ったらお前の好きなところ、全部上げてやろうか」


「え?」



「優しいところ、演奏がうまいところ、俺と仲良くしてくれるとこ、それから――」



 玲ちゃんは私を見て、小さく笑った。



「かわいいとこ」




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