恋愛記念日(恋愛短編集)



 そのとき、聞き覚えのある声が聞こえた。


「川瀬先生、いつもお見送り、ありがとね!」


 奈美の声だった。


 川瀬先生。一時期、奈美が好きだった塾の教師。


 まだ若いし、俺らと対して年の差がない。



 もし、奈美が川瀬先生に恋してたら…そう思っただけで、怖い。



「奈美ちゃん、約束、守ってくれるよね?」


 先生が言った。


 約束…?



< 158 / 175 >

この作品をシェア

pagetop