恋愛記念日(恋愛短編集)




 翼SIDE



 律に呼び出されて、俺は屋上に向かった。


「奈美、泣いてたわよ」



 単刀直入に律が言った。俺は何も言わなかった。


 言えなかった。


 俺のせいだから。



 でも、奈美は川瀬といた方が幸せになれるような気がして。



 だって、そうだろ?俺は未熟だけど、川瀬は大人だ。


 しかも、塾の教師ってことは、頭がいい。



 俺はバカだから。




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