恋愛記念日(恋愛短編集)




 俺は、答えなかった。


「私、あの子があんなに泣いてるの、初めて見たわよ」



 律がため息まじりにいい、それから、俺の頭を壁に押さえつけた。


「ぐあ!」


「さっき、奈美言ってたわよ。あんたが奏子といることを望むなら、もう諦めるって」


 !!


 俺は、律の手を払いのけた。


 全速力で、奈美の部屋へ走る。



 とにかく、奈美に会いたかった。



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