センチメンタル*ガール



「ここでいい?」



さっき聞こえてきたわいわいしているから少し離れた所に着くと



黒田くんはそこで足を止めた。



「うん!木の下だからここは涼しいね!」



「だな!」



黒田くんはベンチの上に落ちていた葉っぱや小枝を下を掃うと



「座って話そう?」と言ってあたしに座るように促した。



そして、あたしが座ると黒田くんもあたしの隣に座った。



その距離は30センチくらいあって、ちょっと近すぎなくて良かったと



内心安心している自分がいた。



「俺、本当に今日早川さんに会えて良かった!」



いきなりそう言う黒田くん。



横から見る彼の姿は本当にあたしから見ても嬉しそうで



そんな風に喜んでいると不覚にもあたしも会えて良かったと思ってしまった。



< 143 / 326 >

この作品をシェア

pagetop