センチメンタル*ガール



「うん、夏休みだし空いてる日見つけて遊ぼうね!」



「だな!それで?」



急に話を変えてきた黒田くん。



笑顔から訝しげな顔を浮かべてきて、もう今の話は終わってしまったようだ。



「え?何が?」



そう返すあたしの中には、黒田くんの話の意図がさっぱり分からなかった。



「だってこれじゃあ早川さんはお家に帰れないでしょ?」



そう言われて、あたしははっとした。



黒田くんは俯いて歩いていたあたしのことを気にしてるんだ。



「もう今日は充分だよ!だって黒田くんとまた話せたんだもん」



佑輔のことはまだ心がぽっかり空いたままだけど



それでも黒田くんに会って話したことで気持ちが軽くなった。



< 149 / 326 >

この作品をシェア

pagetop