センチメンタル*ガール



「この、小悪魔未紗めっ!」



ーーギュッ!



びっくりして涙が引いた。



佑輔はあたしの耳元で少し照れた口調でそう言った。



そして、佑輔から逃げようと思っていたことが



彼にバレていたのかもっと強く、きつく抱き締められて



もう逃げる術なんてないに等しかった。



「…………」



何にも言えないあたし。それに対して佑輔は……。



「今のは完璧未紗にやられたな。想定外過ぎて固まっちゃったじゃん!



でも、未紗からキスしてきたってことは……」



それだけ言うと、彼から続きの言葉が降ってくることはなかった。



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