センチメンタル*ガール
「……当たり前だろ」
……届いた、間に合ったんだ。
佑輔は大きく息を吐いて、あたしの右肩に顔をのせた。
そして、「ほんと、良かった。安心した」と言ういつもは見せないちょっぴり弱くなった佑輔の姿があった。
あたしに気付かせてくれた黒田くんに本当に感謝しないとね。
佑輔を思って出た、別れというあたしの行動。
その行動は苦しむのは、哀しむのはあたしだけで、佑輔はあたしから解かれてすっきりするのだと思った。
でも……それは完全に違った。
あたしは逆に佑輔を追い詰めて、苦しめた。
もう絶対にこんなことがないようにしないと。
部屋に上がって少し経った後、あたしを抱き締めながら「15分寝かせて」と言って眠りについた佑輔を見ながらあたしは強く強く思った。