センチメンタル*ガール
あたしはバッグを肩に提げている左手で佑輔の腕を叩いた。
「なんだよ?」
とちょっとびっくりした顔であたしを見る佑輔。
「……未紗はすぐにどっか行って迷子になるって言った!」
あたし、そんな迷子になったことなんてないもん。
方向音痴なのは確かだけど。
「だって未紗、ちゃんと手繋いでないといなくなっちゃいそうだし?」
とクスクス笑いながら、練乳を見つけた佑輔は「これでいい?」とあたしに聞いてくる。
「……うん」
なんか納得いかないけど、あたしはコクンと頷いた。
手繋いでないといなくなっちゃうって小っちゃい子じゃん。
佑輔から見たら年下ってみんな一緒なのかな?