センチメンタル*ガール
「…………」
……返答なし。
それどころか佑輔がこぼしたのは、言葉ではなく、ため息だった。
どうして返事もなければ、こんなに機嫌が悪くなっちゃったんだろう。
お買い物してる時は全然そんな感じしなかったのに。
黒田くんと会って少し話して、戻ってきた後も佑輔は「良かったな」って言ってくれたくらいだ。
そこが原因ではないはず。
でも、その後の佑輔はあたしに大きな声を出してまで、黒田くんの話をやめさせた。
今までのことを振り返ってみたけど、いまいち……どうして佑輔が怒っているかよく分からない。
だから今度、あたしは繋がれている手をぎゅっと一瞬握り返して、もう一回佑輔の方をみつめた。