センチメンタル*ガール
「定時ってことはもう少し急がなきゃ!」
あたしはちょっとだけニヤニヤしながらまた掃除機を掛け始めた。
だって、定時には仕事終わるとか、ハンバーグ食べたいとかなんだか一緒に住んでないと言われない言葉……
もう言ってもらえるなんて思わなかった。
掃除機の後は、家から持ってきた幼稚園の先生が着るような可愛いエプロンをしてごはんを炊いて、ハンバーグを作った。
そして、佑輔の帰ってくる時間に合わせて、お風呂も沸かして余裕ができた時に壁に掛かっている時計を見ると、すでに定時を過ぎていた。
もうすぐ帰ってくるかな?早く会いたいよ。
---ピンポーン
ドアチャイムが鳴った。絶対佑輔だ。
あたしはダッシュして玄関に向かって、急いでロックを解除してドアを開けた。