センチメンタル*ガール



家のドアを開けると、コートのポケットに両手を入れて待っている佑輔がいた。



その横には見慣れた車も停めてあって、一度家に帰ってから来てくれたことが分かった。



「お待たせしました」



と言ってあたしは佑輔のところに駆け寄った。



「別に今来たから平気。寒いからすぐ乗って」



「うん!」



車に乗り込むと暖房が効いてて暖かくて、さっきまでの寒さがすぐに吹っ飛んで行った。



「何食べたい?っていうか未紗のお母さんごはん作ってなかった?」



悪いことしちゃったなと言いながらバツが悪そうな顔をする佑輔。



「うん、でもごめんって言って逃げてきちゃった……」



えへへと言いながらあたしは苦笑いをして誤魔化した。



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