センチメンタル*ガール



駅が見えると、佑輔を見つけた。



「ゆうす……け……」



大きな声で佑輔を呼ぼうと思ったのに……



あたしはそれをするのをやめた。



あたしの視界の中には佑輔と綺麗な女の人が写っていて



佑輔はその女の人の腕を優しく掴んで



その場を離れて行ってしまった。



「今日のデートを楽しみにしてたのは……



あたしだけだったんだ」



その一言は佑輔に届くことなくどこかに消えて入った。



佑輔はあたしを分からせたかったのだろうか……。



本当は佑輔があたしと別れたかったことを……



新しい好きな人ができたことを……



だから同じ時間と同じ待ち合わせ場所に彼女を呼んだのかな。



それしかないよね。



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