センチメンタル*ガール
ドアをゆっくり開けると……
お客さんが来たことを示すカランカランという音が鳴った。
お客さんとしてここに来るのは初めてだけど
今日はでも、事情が事情だし仕方ない。
きっと休日でこの時間だし絶対知ってる人が出てくるよね……。
「いらっしゃいませ~って早川さん!」
あたしがお客さんとして来たことないから余計に目を見開いて驚いているチーフの木下さん。
「すみません、急に来ちゃって。
なんかここのカフェオレが飲みたくなっちゃって……」
えへへと笑いながら頭をフル回転させて出てきた答えがこれだった。
なんか自分が変なところとかバレちゃっているだろうけど今だけは気付かないふりをしてほしい。
「分かったわ。好きな席に座って待ってて。
カフェオレでいいのね?」
と再確認してくるチーフにあたしは「はい!」と元気よく返事をして
日の当たりの良い窓際の席を選んでカフェオレが来るのを待つことにした。