センチメンタル*ガール
人が多いから絶対に離れんなよと言って、佑輔は目の前にある機械をポチポチ押しながら何かしている。
チケット売り場に並ばなくていいのかな?と思いながらもあたしは分かったとだけ言って佑輔が終わるのを待っていた。
なんか今日の自分……絶対におかしい気がする。
久しぶりのお外デートだからかな?
心臓がドキドキしすぎて、呼吸心配になるくらい佑輔の近くにいるとおかしくなる。
そして、少し経つと佑輔は「んっ」とそれだけ言ってあたしの手の上に小さな紙を載せた。
それをよく見てみると、その紙は映画のチケットで上映時間も見るはずだった時間が書いてあった。
「どうして?…これ。」
絶対に今からでは満員で取れないって思ってたのに。
もしかして……
「言っただろ。今日出かけるの楽しみにしてたのは未紗だけじゃないって。」
佑輔はそう照れくさそうに言ってあたしの手をそっと握ると優しく繋いでくれて
その後、売店に行くとポップコーンとジュースを買ってくれた。