センチメンタル*ガール
楽しみにしていたのはあたしだけじゃなかったんだってことを
言葉じゃなくて、映画の席を事前に予約してくれていたことを知って
すごく嬉しい。
本当に佑輔はどこまでも抜け目がない。
そんな人があたしの彼氏なんだ……
それから映画までの時間を映画館の中に小さなショップで時間を潰して
あたしたちは指定されたシアターに入り、席に座った。
映画代も、ポップコーンのお金も佑輔に払ってもらったあたしは申し訳なさ過ぎて
バッグからお財布を取り出してお札を数枚取り出すと、佑輔にそのお金を渡した。
「お金出してもらっちゃってごめんね。ありがとう。」
でも佑輔はあたしのお金を受け取ってくれなかった。
それどころかあたしの手を掴んで突き返してきて「いらないから」とばっさり言われてしまった。