センチメンタル*ガール



「俺さ、どうしても今日早川に話したいことがあるから。だから今すぐ来て。



ずっと早川が来るまで待ってるから」



と瀬戸さんはそう言うと電話を切ってしまった。



だけど……やっぱり行けないよ。



"これからもずっと一緒にあのカフェで働きたいです!"って言ってあたしは彼を困らせる。



それに話したいことって言われても……



自分では想像がつかなくてどんな話をされるか怖くて仕方ない。



「お母さん……」



「今日買ってあげたワンピースもう着れるじゃない!それにそういう大切な言葉は電話越しじゃなくてちゃんと面と向かって挨拶してきなさい」



と言ってくれた。



あたしはその言葉に頷いて、家に帰るとすぐに今日買ってもらった新しいワンピースに着替えて、メイクを少し直すと家を出てバイト先まで走り出した。



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